ゴールデンウィークはネットで映画を観た

"寝ても覚めても"は、そこまで露わに言わなければならないのだろうか、と思った。常套的シーンが多かった。"親密さ"の濱口竜介の言葉はわたしによく似ていた。詩の朗読もよかった。わたしも学生の頃は登場人物と同じように、会えば必ず議論をした。学生運動に興味はなかったが中核派の友人と通称クロカン黒田寛一の読み合せをした。
1983年日比谷で観た小林正樹の"東京裁判"は、衝撃だった。日本人は観なければならないと思った。今回観た小林正樹の"化石"は井上靖の詩を聴いているようで心地よかった。六十三歳の佐分利信演ずる主人公の一鬼の思考回路がわたしによく似ていた。原作は井上靖六十歳の時の小説である。その頃日本人男子の平均寿命は六十代半ばである。後悔をするためではなく、いわんや言いわけをするためでもなく、自身を知る為、寿命を意識するとき自身の生涯を振り返る必要があるのだろう。