"プライベートの時間"

 工場の作業員の人に言えばあるいは叱られてしまうかもしれないけれど、仕事とプライベート時間の区切りのある人は、年収の低いプロレタリアート、工場の作業員の人かウェイターあるいは力仕事の人くらいだろう。ウェイターでも年収の高い人は、明日予約のお客様は前回来られたのはいつで何を注文しどんな好みであったのかを思い出し、どのようにおもてなしするかを夜寝る前に計画する。高給の鳶の名人は明日の本四国鉄橋の組立の順番と工夫と方法を寝る前に何回も何回も何回も反芻する。

 プライベートの時間に考えるのが本当の仕事だ。散歩のとき風呂のとき食事のとき眠っているときでも日曜日でも。でなければ、仕事の樂しみは分からない。仕事は、樂しいからするのだ、でなけれ不幸だ。(とうぜん高給は貰えない)