大衆迎合コマーシャリズム

若い頃、ひとりの部下を連れ取引先と食事をした。酒が回ってきた頃部下が得意気に、わたしは会社を一歩出ると仕事のことはカケラも考えた事がないですよ、と言った。わたしは部下の向こう脛を革靴の先で思い切り蹴った。商売の取引先がもしそのような考えならわたしはすぐ取引を中止にする。その後その部下は長年勤めたが業績に貢献できたことは一度もなかった。無駄飯食いの社員である。

会社を一歩出たら気持ちを切り替える事がクールだとするポピュリズム大衆迎合コマーシャリズムがあるのだろう。仕事ができないサラリーマンが飛び付きそうなコマーシャルである。仕事も、マニアでなければならない。マニアだけが仕事を愉しみ、真の業績に近づき、人生を愉しむ事ができる。酒を呑んでいる時も映画を観て感動している時も、アビームの風を受けセーリングをしている時も、デュアルcpuのようにマニアは後頭部でフル稼働し顕在意識に顔をだすチャンスを窺っているのだ。