映画‟めぐりあう日″を観た。
朗読されたアンドレ・ブルトンの詩があまりにすばらしかったので紹介したい。1935年生の8ヶ月の娘オーブ・エレウエに捧げた詩であり1941年離婚している。(アンドレ・ブルトン狂気の愛」より)

美しい春 君は16才
この本を開くだろう
さんざしを揺らす風が
その題名をささやく
いつも笑っている
8ヶ月の愛しい娘
君は珊瑚 君は真珠
君の誕生に 何一つ偶然はない
生まれるべき時に誕生したのだ
早くも遅くもない
君のゆりかごの上に 暗い影はない

子供を生むのは 狂気だと思い込み
私を生んだ人を恨みに思っていた

16才の君を見つめる
まだ恨みを知らない娘
僕は君の目を通して自分を見つめる
夢と希望の幻想が君の頭の中で踊る
巻毛の輝きを浴びて
その場に僕はいない
ずっと君を見ていたいのに
運命の分け前が十分かどうか分からないが
生きる喜びを謳歌せよ 愛を待ちながら
生きる喜びを謳歌せよ 愛を待ちながら