裁判

西暦1969年
23才のとき初めて原告になった。
証人喚問は愉しかった。
1年後示談の申入れがあった。


お金が欲しいわけではない。
判決をください。
と大きな声で言った。


2年後また示談の申入れがあった。
今度は80%であった。
弁護士さんははどうしますかと尋ねたけれど、
私を説得しようとはしなかった。
良い弁護士さんだとおもった。
私は断った。


裁判長が私と話をしたいと言った。
民事で80%は勝ったも同然です。
喧嘩は全部勝つと損をすると思う。


知能の低い裁判官に、
生き方を習いに来たのではない。
喧嘩の作法を習いに来たのではない。


公務員は言うに及ばず、
生き方は誰かに習うものではない。


自分はどのように、
自らに向きあってきたかを語り、
あなたはどのように、
自らに向きあっているのですかと尋ねる。
それだけで良い。


裁判官は生き方を教える職業ではない。
資格も能力もあると思っている人は、
国民にひとりもいない。


和解なら裁判は不要です。


判決を言い渡すことが仕事なのです。
その為にあなたは税金から給料を貰っている。
その為に私は税金を払い費用を支払っている。
税金で生活させていただいている人が、
納税者を説得する場ではないのです。


傲慢にならないでください。