建築のはなし

デザイン、思想と技術

建築家は自分の図面と実際に作った建築の中で自分の思想を確認しているんだろうね。しかし、「デザインは思想の結果に過ぎない」くらい言っている人はいないのかな。そういう風にいう人がいてもおかしくないよね。一つの切り口として、包括的に真理を代弁す…

大型開発でできた街

自然発生したような街は味があるけれど、大型開発によってできた街は何十年経っても味が出ませんよね。そういう大型開発で出来た街にどこでも似たような店を作っていて、けっこう人が入っています。ちょっと大きいステーションビルなんかでもつくり方が同じ…

フランスとニューヨーク

コルビュジェの展覧会に行った時に3巻組のDVDを買いました。サヴォア邸、ピロティがあって屋上庭園がある住宅。あれはいいですね。 ー僕はフランスに住んでいる時に何度も行きました。パリの郊外にあるのですが、友人が旅行でパリに遊びに来る度にサヴィア邸…

養老天命反転地から

養老天命反転地を知っていますか?友人と3人で行ったことがあるけれど、面白かったよ。斜めもいいなって思います。よく夢の中で家の床が斜めになるのを見ます。斜めだなあ、と思っていると、そのうち揺れ始めて。そういうのをよく見るんですよ。わたしの家…

作品とテクスト

建築の学生の卒業制作などを見ていると、作品に何らかの意味を付けようとしますよね。人間関係の有り様だとかを考えていて、すごく肩に力が入っている感じがします。 ーそういうのは教育的には必要だとは思います。(本橋) でも意味が必要であるとか、意味を…

構造設計のはなし

やっぱり構造屋さんというのは、本質的にはデザイナーですよね、力学のデザイナー。だから意匠屋さんがどういう風にしたいのか優先順位を察知して、色んなアイディアを提案してくれると楽しい。その理由も分かりやすく説明してくれれば、尚更です。だから構…

パニックオープン

最近、電気錠について打合せを重ねていたのですが、行き違いがけっこうあったんですよ。なぜ行き違いが起きるかというと、パニックオープンといえばみんな具体的なことを想定しないで、何かがあった時にはカギは開かなきゃいけないと思っている、一級建築士…

コンクリートのはなし

新潟県中越沖地震がありましたが、東京もけっこう揺れましたね。余震も長い間揺れましたね。長い周波数の揺れだったらしいですね。日曜日だからいなかったけれど、ここ(聖路加タワー)とかもけっこう揺れたんじゃないかな。これは揺らして解消させるという…

コルビュジェ展

コルビュジェが設計した海辺にある奥さんの為の小屋(カップマルタンの休暇小屋)、3.6m四方くらいの小さいものですが、窓の形とテーブルが面白かったですね。その家が自分の終の住処になるだろうと予言して、予言した通りになったんですね、溺れて。 コルビ…

納まり

年間何十棟もやっている建築家だとなかなか厳しいですよね。名前が残る作品は難しい。 昔に木造をいっぱいやっている建築家の作品を見に行ったけれど、やっぱり納まりで露呈しちゃうんですよね。納まりが納まっていない、見ていられないんですよ。平面のプラ…

地下は恐い

ビルをつくるときのことですが、地下は何が出てくるか判らないですね。この前、京橋の物件で恐らく川があったのだと思いますが、戦前の護岸でコンクリートが打っているのだけれど鉄筋が入ってないんですよ。だから壊す時に重機で掴んでもその部分しか持って…

バランスのいい設計

貸しビルでどのようにつくるとテナントが付くか、家賃が取れるかというのは、ビルをつくる会社によって大きく違います、バランスの良し悪しとか。ビルの設計でバランスが良いと思うのは、やっぱり三井さんですね。どうやったら家賃を高くして貸せるかは銘々…

建て売り住宅

若いうちはパワーがあるから、行っちゃうんだね。歳をとってくるとパワーがなくなるから、いつまでも逡巡するんですよ。若い頃はパッと土地を買って、パッと作って、パッと住んで、それでもう終わりということもあったけれど。25の時にイージーオーダーで建…

富士の別荘2

富士山の別荘ですが、第一山荘と第二山荘を隣同士で作ったんですよ。一つはきれいにソツがなくつくって、普通の風呂にスウェーデン製の輸入のストーブ。火は見えません。もう一方はワンルームにして一間四方の囲炉裡でもって火を焚くんです。バンバン焚くと…

富士の別荘

昔、20数年前に富士山の三合目に別荘をつくったんですよ。その時には小淵沢だとか向こうの方までずっと見に行きましたが、富士桜という初期の頃の別荘地で周りに家なんて無いようなところで、道路も舗装されていないような。一区画100万円で土地の面積は100…

模型

「屋根の家」をつくった手塚さんの「森の学校・キョロロ」に行きました。錆びる鉄板を外装材に使っている建物です。その建物を設計して完成するまで、模型を100個以上つくったそうです。建築家は論理からすべてを積み上げていって、あるいはそれを崩して、色…

老人のための家

高峰秀子さんという名優がいます、もうおばあちゃんですが。すごく好きな映画で成瀬巳喜男監督の「浮雲」に出ていました。 その彼女は家を壊して、家財道具の殆どを捨てて、集めていた食器類も普段使うものを除いて処分して、小さい家をつくったという記事を…

ル・コルビュジェの「母の家」

1年に1戸くらい住宅を作ったら楽しいだろうね。 特に住宅は建築主の年齢と健康、意欲によって大きく変わるよね。コルビュジェの「母の家」がありますよね。住宅の基本形はあれだな、と私は思っています。住む人が主人公。コルビュジェのお母さんの動きを、何…