建築のはなし

*坂本一成展

坂本一成展、“水無瀬の住宅”、美しすぎるほどで、ビックリ感動。 感性がデリケートなのだと思います。 ギャラリートークでは、わかりやすい言葉で御自分に問いかけるようなトツトツとした語り口でした。

SDレビュー2008 その2

建築として作文が印象に残っているものがありました。 「家族は崩壊している。自分と向き合って自分だけの窓をもち、自分だけの空をもつ。その中で初めて、つながりの可能性を考えていきたい」と。それで建物としては、天窓のある塔みたいなのが4つあってそ…

SDレビュー2008 その1

先日、代官山で行われていた建築の展覧会を観に行きました。入選者のほとんどは20代後半で、いってて30代でしたね。 表現するのは大変だと思いました。アニメを作ってプロジェクターで流したり、みなさん工夫していましたね。手間がかかっているものと、かか…

例えば建築家が家を設計するときに、家族は対話するものだとか、一緒に飯を食うもんだとか、隣人とは付き合わなきゃいけないだとか。新建築の月評をみるとそういう価値観を前提としてものをみているよね。気持ち悪いよね。なんでそれを前提としなくちゃいけ…

現場監督

やっぱり建築現場の責任者、現場監督は厳しい人でないとね。下請けは監督を介すから、直接すぐに損害に繋がっちゃうよね。同時にきちんと段取りもしてあげないと、下請けも損をするので、ただ厳しいだけでもダメですね。

コストのこと

ある物件で、人造大理石の900角で予定していた床の仕上げを、御影石の600角の仕上げに変更しました。目地調整を考えると割付が小さい方が施工は楽ですね。 ―コスト面ではどちらの方が高いんですか?(本橋) 見積りを取ってみると殆ど同じです。中国産の白御…

基準法改正の影響

今は設計変更が大変になってきています。現場に行く意味が変わりましたよね。現場に行けばいくらでも変更したくなる点を見つけてしまいますが、そうもいかなくなっている。 ―例えば、住宅レベルだと軽微な変更で済むことが多いかとは思いますが。最近、構造…

容積、建築費

昔、伊東豊雄さんのどこかの建物を観に行ったことあります。アルミニウムが印象的で記憶に残っています。パンチングのアルミですね。 ―例えば麻布十番の交差点にあるPMTビルは伊東さんの設計で、パンチングメタルを大々的に使っていますね。恐らく80年代くら…

中村好文、吉村順三

中村好文さんは吉村順三さんの事務所出身ですね。 最初、彼は事務所に入りたくて、そうしたらウェイティングリストに書けって言われて。前にいっぱい名前があったようで。そこに名前を書いて、空くまでと思い家具の木工所に入ったようです。その間、近況報告…

テヅカさん

テヅカさんの自邸を案内してもらったことがあります。田園調布にあるんですね。前が全部開いて、後ろの上部も開いて、風が抜けるんですね。自分が設計した小さなストーブが置いてあって、床に杉の板目を透かし張りにして、空調を床吹き出しにしていました。…

アルミ

アルミの棒目地が美しくきまっているものはほとんど見たことがありません。アルミはきまれば本当に美しいのだけれど、きまる角度がすごく狭い。アルミでつくった家具とかサイドボードが青山のカッシーナに置いてありますが、すごくエッジが効いていてパッと…

*

4年ぶりに好文さんのas it isに行った。憎いほどすばらしい。わたしも開口h1500の居室を作りたい。李朝とおぼしきツボが置かれている。彼は磁器の感性も良い。彼のデザインしたテーブルがある。窓及び開口はすべてデザインと機能が異なる。壁は建設地の土で…

施工図のはなし2

手塚さんは最終的には構造は構造設計にやってもらうらしいですが、その前に設計の初期の段階では自分でコンピューターを叩くそうです。そして、施工図はゼネコンには描かせないで、全部自分で描くそうです。やはりそのくらい描けば、設計者自身の現場の把握…

地盤

構造はミスをすると厳しいよね。特に地盤に関しては、斜面で谷のようなところだと雨の通り道になっちゃってるから、土は滑りやすいし柔らかいよね。竹は湿気があるところが好きだから、沢なんかに生えます。ひとつの目安になりますね。そういうところでは地…

施工精度

ゼネコンの下請けに入った業者がたまたま悪くて、現場主任もやさしい人間で、本来ならばやり直しをさせなければならないものをそのまま通してしまったケースがありました。躯体がまっすぐでない、下地の軽鉄もまっすぐでない、それに仕上げのケイカル板を張…

気づき

忙しかったり気力が落ちていると、デザイン上まずいところに普段なら気が付くところを気が付かなかったり、通り過ぎちゃう人はけっこういるんだよね。まずいとすら思わなくなってくる。のんびり設計するのは良い事だよね。 ―僕の場合、気にしすぎることがよ…

施工図のはなし

施工図を描けないのは建築家じゃなくて、画家じゃないかって思うんです。それだと技術者ではないですよね。デザインだけだったら画家ですよ。施工図を描かずとも、少なくとも施工図をチェックして不備があったら、こういう風に描けだとか、描き直しを指示で…

大手組織設計事務所

日本最大手の組織設計事務所は高い設計料で時間もたっぷりもらって仕事をするから、やっぱり人が伸びますよね。雑誌には名前入りで載るような設計が好きで元々頭のいい連中だし、人件費も高いよね。一方で中小の設計事務所だと、設計料が安いから時間も与え…

住宅地

東京だとどういう建物が良いと思う?新建築の写真とかを見ていると、良いなって思う住宅は関西に多いんだよね。 ―そうですか。それは最近の住宅事情が大きいんじゃないでしょうか。東京だと狭小敷地が多いですし、地方だとやっぱりのびのびしていますよね。…

コルビュジェ、ヌーヴェル

大学に入ってから、背筋が凍るほど感動した建物はある? ―やはりコルビュジェのロンシャンの教会は感動しましたね。(本橋) あれは模型だけでも良いよね。あれは観たいと思ったよ。カップマルタンの休暇小屋はこの前にヒルズの展覧会で観たから、まあ良いか…

建材価格

―鉄が値上がりしているそうですが。(本橋) 鉄でもなんでもそうですけれど、上がったり下がったりしていますよ。 大手のゼネコンは年単位でヘッジしてあるから、値上げされてもその時はそんなに関係はないでしょうね。ガラスでも何でも抑えてるんですよね。…

*事務所の天高について

事務所とかマンションを選ぶ際のチェックリストに天井高があります。論文としてはル・コルビュジェの造語”モデュロール”が有名ですが、それ以外の天井高についての議論は多くはないように思われます。成人男子の理想の身長を6フィート≒183cmとし、手を上に上…

美しいこと

ここの並びに紙屋さんの自社ビルがあるんだけれど、鹿島建設さんの設計なのね。総合設計制度を使っていて、設計がよく出来ている。私が一番気に入っているのが、外階段の扱い。これはただの鉄骨なんだけれど、L字のルーバーの間隔が佃大橋から見ると、本当に…

中村拓志、手塚夫妻、中村好文

テレビのBSの番組だったでしょうか、30代前半の隈研吾事務所出身の中村拓志さんの特集を見ました。確か最初の作品じゃないかな、アパートなんだけれど木がたくさんあるような敷地で、木を切ったら可哀想だということで、木を縫うようにして建物が建っていま…

設計の詰め

3棟、ビルが仕上がったんだよ。工事中の設計変更の増減のチェック、95%は設計段階で詰めれば詰められたんだよね。着工前に、発注前に、業者の見積りの前に詰められるんだよね。結局、設計の詰めが甘いから、設計変更が出ちゃう。確認して、施工図を検討し…

建築基準法

昭和46年に建築基準法は変わりました。次に変わったのは昭和56年。その度に構造の規定が厳しくなっています。それでは昭和46年以前のものが、地震があって壊れるかと言われれば、全くそんなことないんですよね。それでは新耐震のものが壊れないで、旧耐震の…

写真のはなし

建物の写真を撮るのって、楽しいよね。 ―そうですね。でも僕は建物を観る時に写真を撮らないようにしているんです。カメラを持っているときの見方になってしまうので。そのものを観察しようと思うと持たない方が良いと思っています。(本橋) 私も今までは誰…

建築をとおして

本橋君は建築家として何を設計したい? ―特に何をっていうビルディングタイプとしてはありません。規模が大きくなればなるほど技術的にも制度的にも複雑になるので、自分がやりたいことを実現するには住宅が一番シンプルで良いかもしれません。(本橋) 建築…

歴史との接続

歴史のない新しい飲食店、新しいホテルは楽しくないですね。建物に歴史が染み付いていないから。新しいホテルにいる従業員にもアンバランスを感じてしまうしね。やはり良いホテルというのはその歴史が必要だし、歴史を作った従業員とお客さんが居て、初めて…

私好みのビルを

ここの事務所は気に入っているのだけれど、今まで自分が気に入る、私の好みで事務所ビルって作ったことがないんですよ。今度はこの近くに自分の気に入る事務所ビルを作ってみたい。私の好みで作って、私が使う。 吹き抜けがあってスキップフロアで、ちょっと…